堅物社長にグイグイ迫られてます
御子柴さんのお父さんといえばあの大企業【御子柴商事】の社長さんだ。

御子柴さんとは折り合いが悪いと佐原さんに聞いたことがあったけど、最後に会ったのを覚えていないくらい距離を置いているらしい。

そんなお父さんと今朝会ったとなると何か相当特別な用事でもあったのかもしれない。

「これを渡された」

御子柴さんはズボンのポケットからぐしゃぐしゃになった紙を取り出すとテーブルへと投げた。それを佐原さんが拾って丁寧に伸ばすと、内容に目を通す。

「創立記念パーティーか」

「ああ。それに必ず俺も出席しろと言われた」

「悟は御子柴家の大切な一人息子だからね」

からかうような佐原さんの言葉に御子柴さんの眉間のしわが深くなる。そして佐原さんを一瞬睨み付ける。

こ、恐い。

御子柴さんに間近であんなにこわい表情をされたら私なら速攻で逃げ出したくなる。けれどさすが佐原さん。気にする様子もなくいつもの穏やかな笑顔を浮かべている。
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