堅物社長にグイグイ迫られてます
私が御子柴さんの彼女として御子柴商事の創立記念パーティーへ出席すれば、御子柴さんは望んでいないお見合いを断ることができる。

とはいえ、実際には付き合っていないのに彼女として御子柴さんのお父さんに会うということは騙すのと同じで少しの罪悪感はある。それにもしもバレたらどうしようという不安も。

でも、ここは御子柴さんへの恩返しだと思って他のことは深く考えないようにしよう。

「分かりました。私、御子柴さんには恩があるので、それを返すためにも御子柴さんの彼女役引き受けます」

「恩……?」

私の言葉を聞いた佐原さんが首を傾げるのが分かったけれど、私は気にせず御子柴さんに向かって言葉を続けた。

「御子柴さんはそんなつもりで私を自分の家に住まわせたわけじゃないって言ってましたけど、でもやっぱり私は自分の受けた恩はしっかりと返します。だから、御子柴さんが今すごく困っているなら力になります」

「え……。雛子ちゃん。悟の家に住んでるの?」

佐原さんの声が聞こえてハッと気が付く。

「あ……」

バレてしまった。
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