堅物社長にグイグイ迫られてます
きっかけは転びそうになったところを御子柴さんが支えて抱き留めてくれたはずなのに、それが今はしっかりと抱きしめられている。

御子柴さんはどうしてこんなことしてるんだろう……。

「なぁ百瀬」

ふいに御子柴さんの声が聞こえた。

「は、はい」

返事をした声が思わず裏返る。

「お前さ、俺の仮の彼女じゃなくて――――」

御子紫さんがそう言いかけたとき、しんと静まる廊下にブーブーと何か振動する音が聞こえた。それはどうやら御子柴さんの方から聞こえてきて、どうやら電話がかかってきているらしい。

「ッチ」

小さく舌打ちすると、御子柴さんは私を抱き締めていた腕を力を緩め体を離す。そして、おもむろにズボンのポケットに手を入れてスマホを取り出した。
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