堅物社長にグイグイ迫られてます
それにしてもまさか御子柴さんの行き付けがこんな路地裏にひっそりとあるような居酒屋だったとは意外だ。

「御子柴さんといえばイタリアンとかフレンチとかの高級なお店をイメージしていました」

「イタリアンやフレンチが食べたかったのか?」

「いえ、そういうことじゃなくて。こういう庶民的な居酒屋に御子柴さんも入るんだなぁと驚いただけです」

「俺はこういう店の方が落ち着くけどな」

そう答えると御子柴さんは運ばれてきたビールをひと口飲んだ。私もウーロン茶を飲む。

「百瀬以外の女性ならきっとイタリアンやフレンチの店に入ったかもしれないな」

「どういう意味ですか?」

「百瀬相手に気取っても仕方ないってことだ」

「なるほど……」

つい納得してしまったけれどここは納得しても良いところなのだろうか。

「はいよ。お待ちどーさん」

威勢のいい店主がカウンター越しに焼き鳥の盛り合わせを出してくれた。六種類の串が並んでいて、一本一本がけっこうなボリュームがある。
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