堅物社長にグイグイ迫られてます
御子柴さんの実家は大企業の御子柴商事でお父さんはその社長だ。きっと幼い頃から社長令息として厳しく育てられたのかもしれない。
「そんなときにミスばっかりしてるお前見てると気が抜けるっていうか、完璧を求め過ぎてる自分がバカバカしく思えてくる。なにを気負って生きてんだろうってふと肩の力が抜ける。そういう意味では、俺はお前のミスに助けられてる部分もあるってことだ」
「え……」
「とは言ってお前のミスには迷惑してるけどな」
「どっちなんですか」
すかさず言葉を返すと、御子柴さんが再び唇の口角をわずかに上げてふっと静かに笑みをこぼした。私はそんな彼の横顔を黙って見つめる。
「まぁでもミスが多いことは置いといて、お前にはやっぱりいろいろと助けられてるよ。仕事がたてこんでて忙しいときにそっとコーヒーを出してくれたり、打ち合わせが長引いて疲れて事務所へ帰ってきたとき“おかえりなさい”って笑顔で迎えてくれたり、慣れない図面のコピーや模型の製作を一生懸命手伝ってくれたり。どんな仕事を頼んでも嫌な顔ひとつせずに頑張ってくれてる。―――つまり、俺はお前が……じゃなくて、俺と佐原はお前が必要ってことだ」
「そんなときにミスばっかりしてるお前見てると気が抜けるっていうか、完璧を求め過ぎてる自分がバカバカしく思えてくる。なにを気負って生きてんだろうってふと肩の力が抜ける。そういう意味では、俺はお前のミスに助けられてる部分もあるってことだ」
「え……」
「とは言ってお前のミスには迷惑してるけどな」
「どっちなんですか」
すかさず言葉を返すと、御子柴さんが再び唇の口角をわずかに上げてふっと静かに笑みをこぼした。私はそんな彼の横顔を黙って見つめる。
「まぁでもミスが多いことは置いといて、お前にはやっぱりいろいろと助けられてるよ。仕事がたてこんでて忙しいときにそっとコーヒーを出してくれたり、打ち合わせが長引いて疲れて事務所へ帰ってきたとき“おかえりなさい”って笑顔で迎えてくれたり、慣れない図面のコピーや模型の製作を一生懸命手伝ってくれたり。どんな仕事を頼んでも嫌な顔ひとつせずに頑張ってくれてる。―――つまり、俺はお前が……じゃなくて、俺と佐原はお前が必要ってことだ」