堅物社長にグイグイ迫られてます
そのあとは立食パーティーへと移り、出席者それぞれが食事をしながら会話を楽しんでいる。

そんな和やかな空気の中、きっと私だけ顔がとても強張っていると思う。おそらくここ最近で一番と言ってもいいほどの緊張感を味わっている。

というのもこれから私は御子柴さんのお父さんと会わなければならない。これが私がこの創立記念パーティーに参加した理由だからしっかりとやらないと。

多少のことではそれほど緊張しない私でも、日本を代表すると大企業の社長と会うとなるとさすがに緊張してしまう。これまでの人生で‶社長”という肩書のついた人と会うのは初めてだし、しかも相手はあの御子柴さんのお父さんだ。

粗相のないようにしないと。しっかりと御子柴さんの彼女っぽく振る舞わないと。そんなことが頭の中をぐるぐると回っている。

落ち着け、落ち着け。と、心の中で唱えながら、御子柴さんに連れて来られたテーブルには白髪まじりの髪の背の高い男性がイスにどっしりと腰をおろしていた。その近くには先ほど受付にいた芝さんの姿もある。 
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