堅物社長にグイグイ迫られてます
いつもの御子紫さんなら必ず鋭い言葉で言い返しているはずなのに、どうして何も言い返さないんだろう。

御子紫さんが何も言い返さないなら代わりに私が言い返したくて仕方がない。正直、私はさっきから御子柴さんのお父さんの一言一言に腹が立っている

建築家の仕事はただの遊び?――そんな人が休日を返上してまでも仕事なんかしたりしない。御子柴さんはいつも朝早くから深夜まで仕事をしているし、自宅に持ち帰ってまで仕事をしている日もある。そんな風に仕事に対していつも真剣に取り組んでいるのに。

御子紫さんの代わりはいる?――いるわけない。依頼主のほとんどが御子柴さんの実力とデザインに惹かれて、御子柴さんだからと言って依頼をしてくるのに。

御子柴さんのお父さんは何も分かっていない。

何も知らないはずなのに建築家としての御子柴さんのことを悪く言わないでほしい。

ダメだ。
私はもう限界を超えてしまったようだ。

すぅと小さく息を吸い込むと、はぁと大きく吐き出した。

「それは違うと思います」

突然、会話に割って入ってきた私に御子柴親子と芝さんの視線が向けられる。
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