堅物社長にグイグイ迫られてます
「きっといつかは御子柴さんのお父さんも御子柴さんの仕事を認めてくれますよ」

「そうだといいけどな」

御子柴さんはどこか遠くを見つめながら言葉を続ける。

「子供の頃から、親父は気に入らないものがあると俺から何でも奪うような人だったから。今回ももしかしたら俺の仕事に反対している親父が俺の事務所を潰しにくるかもしれないな」

事務所を潰しにくる……?

何だか物騒なセリフだけど、いくら大企業の社長である御子柴さんのお父さんでもそんなことまではできないと思う。きっと今の御子柴さんはそんな弱気な妄想をしてしまうほど参っているのかもしれない。

「しっかりしてください御子柴さんっ!」

気が付くと私は声を張り上げていた。

「そんな弱気なこと言うなんて御子柴さんらしくないです。もしも御子柴さんのお父さんが御子柴設計事務所を潰そうとするなら、そうならないようにしっかりと守ればいいんです。御子柴さんは一人じゃないです。佐原さんも、それから頼りないかもしれないけど私もいます。事務所のことも御子柴さんのこともちゃんと守ります!」

任せてください、と私は右手で拳を作ると胸のあたりをトンと叩いた。
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