堅物社長にグイグイ迫られてます
しょんぼりと肩を落とした私を見兼ねたのか、御子柴さんが大きなため息をついた。

「仕方ない。住むところは俺がなんとかしてやる」

その言葉に顔を上げて目をパチパチとさせる。

「ほ、本当ですか?」

「ああ。特別に今日から住めるようにもしてやるよ」

「おお!」

果たしてそんな素敵な物件があるのか不思議に思えてきてしまう。そもそも私お金がないんだけど……。

でも御子柴さんが何とかすると言ってくれているのだからたぶん何とかなるんだと思う。

御子柴さんの知り合いの不動産関係かな。この業界では顔が広そうだから、どこか良い宛があるのかもしれない。しかも即入居可能なんて。やっぱり持つべきものは普段はこわいけどいざというとき頼りになる上司だ。

「ありがとうございます。とても助かります」

御子紫さんに向かって深く頭を下げてお礼を言うと、私はゆっくりと顔をあげた。
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