堅物社長にグイグイ迫られてます
「とりあえずいったんアパートへ帰ります。スマホや財布とか、大事なものを全て置いてきてしまったので取りに戻らないと」

正直、帰りたくはない。

もしも今日が平日なら俊君は仕事で留守にしているのに、土曜日の今日は仕事が休みで家にいるかもしれない。昨日の今日でどんな顔をして会えばいいのか分からない……。

すると、

「俺も一緒に行くか」

御子柴さんがベッドから腰を浮かした。

「貴重品だけじゃなくて、他の荷物も取りに帰らないといけないだろ。車出してやるから今から行くぞ」

「えっ!?」

今から?それに、まだ一緒に来てくださいなんて一言も言っていませんけど……。

「とりあえずシャワー浴びて服を着替えろ。お前の服ならもう乾いてるから」

行くぞ、と御子柴さんが部屋を出ていこうとするので私は慌てて立ち上がる。

「あっ、待ってください、御子柴さん」

けれど、ずっと正座をしていたせいで足がしびれてしまった。その痛みに耐えながらも何とか足を動かして御子柴さんのあとを追いかけた。


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