堅物社長にグイグイ迫られてます
荷物を詰めている間、俊君は私の側で何かを言いたそうにそわそわと落ち着かない。
きっと昨夜の浮気のことを話そうとしているのだと分かったけれど、今は何も聞きたくはなかった。だから俊君がそっと近づいてきて話しかけられそうになるたびに逃げるように移動して荷物を段ボールへ詰めた。
三十分ぐらいで私の荷物のほとんどが部屋からなくなった。荷物の入った段ボールは御子柴さんが近くのパーキングにとめてある車まで運んでくれた。
するともうこの部屋に用事はない。私は足早に玄関へと進むと、そのあとを俊君が着いて来る。
「あのさ、雛子。話がした――」
「食器とかはそのまま使ってもいいし、誰かに譲ってもいいし捨ててもいいから」
俊君の言葉を途中で遮り別の話にすり替えると、私は玄関で靴を履いた。扉を開けると、壁に背中を預けて立っている御子柴さんの姿があった。
「お待たせしました」
そう声を掛けると御子柴さんは何も言わずに歩き始める。その背中を追うようにして私も早くアパートを後にしようとしたけれど、後ろから腕を掴まれてしまった。
きっと昨夜の浮気のことを話そうとしているのだと分かったけれど、今は何も聞きたくはなかった。だから俊君がそっと近づいてきて話しかけられそうになるたびに逃げるように移動して荷物を段ボールへ詰めた。
三十分ぐらいで私の荷物のほとんどが部屋からなくなった。荷物の入った段ボールは御子柴さんが近くのパーキングにとめてある車まで運んでくれた。
するともうこの部屋に用事はない。私は足早に玄関へと進むと、そのあとを俊君が着いて来る。
「あのさ、雛子。話がした――」
「食器とかはそのまま使ってもいいし、誰かに譲ってもいいし捨ててもいいから」
俊君の言葉を途中で遮り別の話にすり替えると、私は玄関で靴を履いた。扉を開けると、壁に背中を預けて立っている御子柴さんの姿があった。
「お待たせしました」
そう声を掛けると御子柴さんは何も言わずに歩き始める。その背中を追うようにして私も早くアパートを後にしようとしたけれど、後ろから腕を掴まれてしまった。