堅物社長にグイグイ迫られてます
そんなシンプルなリビングで一際目を引くのが壁に埋め込まれている大きな本棚だ。

天井にまで届きそうなほどの高さがあり、そこには建築関係の書物や雑誌、世界各国の様々な建築物の写真がびっしりと並べられている。

他にもおそらく御子柴さんがこれまでに獲った賞のトロフィーが一緒に並べて置かれている。その数の多さは、さすが今をときめく人気建築家だけはある。

「ほら、できたぞ」

その声に振り向くとエプロン姿の御子柴さんが、テーブルの上にオムライスの乗ったお皿を置いてくれた。

チキンライスの上にのっている卵がふんわりとしていて美味しそう。どうやら私のためにお昼ご飯を作ってくれたらしい。

オムライスももちろん美味しそうだけど、それよりも私がさっきから気になっているのは御子柴さんの貴重なエプロン姿だ。

思わずじっと見つめていると「なんだ」と不機嫌な声で返されてしまう。「なんでもないです」と慌てて呟くと私は視線を逸らした。

御子柴さんはエプロンを取ると、それをイスの背もたれにかけてから私の向かいの席に腰をおろす。そして自分の分のオムライスを先に食べ始めた。

私もスプーンを手に取ると「いただきます」と両手を合わせた。そして、トロトロの卵にスプーンを入れると、チキンライスと一緒に口の中へ頬張る。
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