嘘は必ずバレるから
私はゆっくり口角をあげて稜をみる
「なーんちゃって?うっそー。信じた?」
「····んだよ、嘘かよ。ったく馬鹿じゃねぇの」
稜は呆れたように言った
「私、あんまり稜のこと好きくないんだよね〜。
自慢話ばっかりで、つまんなかったし」
稜から見えない方の左手をぐっと握る
「···どーゆことだよ」
「だって、そーでしょ?
今は順調に回復してるからいいものの
私の前で学校の話して、私、行きたくても行けなかったのにさー」
「なんだよそれ」
「自慢ばっか。聞いてて飽きるし、つまんない」
「············ああ、そうかよ。
はっ、お前なんかのために話なんかしなければ良かったわ」
「これから、それを聞かなくてすむなんていいねー」
「······あっそ。」
稜はそれだけ言うと病室から出ていった