この空の果てで
「筆記用具を置いて、いちばん後ろの人は答案用紙を回収してください」
一週間以上張り詰めていた教室の空気がやっと緩んだ。
高校3年になって最初の定期テストだからとかなり気合を入れてみんな臨んでいたのだ。
ここで勢いづけば1年が上手く行きそうな気がする。
出来具合は良さそうだけれど、周りの出来で順位はきっと左右される。
今は終わったことが素直に嬉しい。
本を買うか、欲しかったバンドのCDを買うか、美味しいものを食べるか、この後の予定に脳みそをシフトする。
「本当にありがとう、野木さん」
「わたしも勉強になったからよかった」
あの後から結局ほぼ毎日戸部くんに勉強を教えていた。
学力は伸びても、関係は進まなかった。
いや、わたしが進めるのを怯えていたことが原因だ。
「あとでちょっといい?」
「どうしたの?」
「ちょっと」
「……うん、いいよ?」
よく分からなくて頭の中が混乱する。