この空の果てで
「……ごめん、呼び止めて」
「いいよ、暇だし」
2ヶ月くらい前のわたしならこんな誘いもうざく感じて拒絶して、話すことさえしなかった。
「俺は、本当に野木さんが好きだ。
付き合ってほしいです」
「……え?……え?」
「あーもう、何回も言わせるなよ」
まだがっつり昼間だから顔の赤さを隠してくれるものは何もない。
無防備な戸部くんの赤面が晒されている。
「……わたし?」
「他に誰がいるんだよ」
呆れたようなため息をついてから言葉を続ける。
「……俺は、前にも言ったけど、野木さんの世界を見つめる時の目に惚れた。
桜を見る目、空を見る目、雪を見る目、全部が俺を好きにさせた。
だから、好きになった」
「……わたし、なにも出来ないけどいいの?
彼女らしいことなんて何一つ出来ないけどいいの?」
「いいよ」
「手を繋ぐのも出来ないかもしれないけどいいの?」
「いいよ」