卒業式の祈り
私もほんのすこしの時間ならという条件付きで、彼に面会させてもらえることになった。

「サラよかったね、だけど、いきなり彼になんでもかんでも話しちゃダメだよ。落ちついてね」

「うん、うん」

彼に会えることが嬉しくて紅潮している私に、姉は冷静になるように促してくれた。

会いたい。ただ会いたいだけ。

コンコンとドアをノックしてゆっくりと開いた。

病室に入りゆっくりとカーテンを、開けるといつものように、三井くんが酸素マスクをしてベッドに横たわっている。
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