弟くんの逆転
「え…?」
びっくりして目を見開くと、奈保くんはさっきとは全然ちがう優しい眼差しで私を見て、
「!」
私の涙を、ペロッと舐めた。
「あー、真っ赤んなっちゃって。かわいい」
「奈保くん…!」
「もう好き。ほんとすき。梓ちゃん可愛すぎる」
なんか奈保くん、色々すごいです。
…っていうか今、「好き」って言った!?
「な、ななな奈保くん!?」
「テンパっちゃってる。かわいい。どうしたの、梓ちゃん」
自覚して慌てる私と、余裕しゃくしゃくな奈保くん。
…ズルいよ、奈保くん。
「い、今、『好き』って言った!?」
「言ったね」
「う、え……こ、告白?」
「うん、愛の告白」
「あ、い…」