弟くんの逆転



「ふふ…変なの…」


優しい言葉の最後に付け加えられた言葉がなんだかおかしくて、つい笑ってしまう。


…って、笑ってたら頭に響いてきた。うぅ、頭痛い。奈保くんは昨日、こんなのと戦ってたんだね。


「あーあ、ムリするからだよ。頭痛いんでしょ、寝てなよ」


「うぅー、でも…」


「でもじゃなくて」


せっかく奈保くんが近くにいるんだし、もう少しこのままがいいな、なんて思って。


そんな私の心中を知るわけもない奈保くんは、駄々をこねる私をなだめようとしている。幼稚園の先生みたい。


「……なおくーん」


「はいはい、どうしたの、梓ちゃん」


「お喋りしたい」


「元気になったらね」


ちょっと大胆なことを言ってみたつもりだったのに、軽く流されてしまう。なるほど、今はどう頑張っても病人にしか見られてないらしい。


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