弟くんの逆転
だからといって、別に何かに見られたいわけじゃないけど。いつもと違うから、ちょっと寂しいな、なんて思ってしまった。
「なお、くん」
「ん?」
「…元気になったら、またお喋りしてくれる?」
「もちろん」
「じゃあ奈保くん、風邪うつらないでね」
奈保くんからうつった風邪が奈保くんに戻るなんて、笑えないし。シャレにならない。
「大丈夫だよ。俺は梓ちゃんのそばにいれば無敵だから」
「…っ、なにそれ」
うそつき奈保くん。今日は何もしないって言ったくせに。言葉だけで私を照れさせる奈保くんはズルい。反則だ。
「梓ちゃん、顔まっか」
「……熱のせいだもん」
「そんなに一気に上がったの?」
「……そーだよ」