弟くんの逆転
うん、奈保くんは、私の体温を上げる選手権があったら一位取れるくらいだと思う。
「じゃあ、寝てなきゃダメじゃん。おやすみ梓ちゃん」
そーゆーことじゃないもん。
なんて思っても、具合が悪いのも確かで。
これ以上奈保くんのドキドキ攻撃に耐えられそうにない私は、大人しく寝ることにした。
「…奈保くん、おやすみ……」
「うん、おやすみ。ちゃんと寝てね」
小さい子をあやすように、頭を撫でてくる奈保くん。
いつもの子供扱いみたいで少し不服だったけど、奈保くんの手が冷たくて、思わず握ってしまった。
「…っ、梓、ちゃん?」
「奈保くんの手、気持ちいいね…」
氷ほどは冷たくないけど、それが逆にちょうどよくて、ほっぺたに当ててみたり。
そんなことをしているうちに眠たくなった私は、奈保くんが真っ赤になって照れてるなんて夢にも思わないまま、目を閉じた。