弟くんの逆転
*
結局、あれから目を覚ましたときには夜の8時で、もちろん奈保くんや香乃は帰っていた。
ちょっと寂しかったけど、香乃が買ってきてくれた薬や奈保くんが剥いてくれた(であろう)ミカンが枕元のテーブルに置いてあって、ご丁寧に水まで置いてあった。
――コンコン
「……はい」
「…梓?入るよ?」
「……うん」
それはお母さんの声だった。どんな顔してればいいのか考えてるうちに、お母さんは部屋に入ってきた。
まだ気まずいままだから、素直にお母さんの方を向けない。
「…梓、ごめんね」
「…なにが」
「梓は謝ろうとしてくれてたのに、無視して」
「うん」
そうだね、それはイラついてはいた。