弟くんの逆転





結局、あれから目を覚ましたときには夜の8時で、もちろん奈保くんや香乃は帰っていた。

ちょっと寂しかったけど、香乃が買ってきてくれた薬や奈保くんが剥いてくれた(であろう)ミカンが枕元のテーブルに置いてあって、ご丁寧に水まで置いてあった。


――コンコン


「……はい」

「…梓?入るよ?」

「……うん」


それはお母さんの声だった。どんな顔してればいいのか考えてるうちに、お母さんは部屋に入ってきた。

まだ気まずいままだから、素直にお母さんの方を向けない。


「…梓、ごめんね」

「…なにが」

「梓は謝ろうとしてくれてたのに、無視して」

「うん」


そうだね、それはイラついてはいた。



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