弟くんの逆転



「熱あったの、香乃ちゃんたちから聞いた。おかゆあるんだけど、食べる?食べられる?」

「んー、いる」

「じゃ、持ってくるね」


どうも後ろめたさを感じてるような声色のお母さんは、そそくさとおかゆを取りに行った。

…謝るくらいなら、最初から謝らせてくれればよかったのに、なんてどこまでも捻くれた考えが浮かんでくるたびに、必死に打ち消している。

別にお母さんと仲が悪いわけではない。ただ合わないときもあるだけ。
でも、いつも時間が経てば忘れちゃうから、そんなに大したことないのだ。早く忘れたい。


「入るねー」

「うん」


半開きのドアを足で開けて入ってきたお母さん。
お盆を持ってるから手が使えないのはわかるけど、なんか行儀悪いからやめてね…と、心の中でツッコミを入れておく。


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