弟くんの逆転



「体温計も持ってきたから。…起きれる?」

「うん…」


よっこいしょ…と、まだボーッとしている体を起こす。


「ほら。自分で食べれる?」

「…ん」


私が軽く頷くと、お母さんはおかゆの入ったお椀とスプーンを渡してくれた。たまごのおかゆだった。


「熱いから気をつけて」


…お母さん、うち、金属製のスプーンだけじゃなくて、木製スプーンもあったよね?

そっちの方がよかったなぁ…。

なんて思いつつ。

息を吹いて、熱いおかゆを冷ましてから、恐る恐る口に運ぶ。


「…おいしい、けど熱い」

「できたてだしね。でも、おいしいならよかった」


そう言って笑ったお母さんを見て、私も自然に頬が緩んだ。


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