弟くんの逆転
しばらく待っていると、ゼリーを何個かお母さんが持ってきてくれた。
…自分で動かないで人にばっかり何かしてもらうのって、いくら熱があるとはいえ、なんか申し訳ない。どこかのお姫様にでもなったみたいで落ち着かない。
なーんて、そんな私の気持ちなんて知るはずもないお母さんは、やっぱりただただ優しくて。
「どれ食べる?」
「んー、みかん」
「梓、ほんとにみかん好きだよね」
苦笑いをしながらも、みかんゼリーとスプーンを渡してくれるお母さん。
「うん、すき」
私がそう言うと、お母さんは優しく笑った。
「…梓が満足したならよかった」
「大満足だよ…!なんか、たまには熱出すのもいいかも。お姫様にでもなったみたいでダラけていられるし」
冗談交じりでそう言うと、お母さんは軽くデコピンしてきた。
「梓が熱出して、肝が冷えたんだから。そーゆーこと言わないの」