異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~



「今後の減量についてだが、当初の計画は大幅に見直す必要がある」
「はい……」
 ライを中心にして今後に関しての協議が始まった。
「まず、マリーナの食欲をどう管理していくかが、今後一番の問題だ。マリーナの食欲に関しては、俺の認識が著しく不足していた。今回の一件は、王宮での食事管理が可能と判断をした俺の甘さだ」
「いいえ! ライ・ザック殿、これは姫様の隠し菓子をすべて撤去したことで安心しきっていた、私の慢心でございます。私が誰よりも姫様の食への執着を理解しておりましたのに……情けないですわ」
 いや、情けないのは食べ物に意地汚すぎる私だよ? ライは甘くないし、アイーダは情けなくなんてない。
 でも、当事者の私から、言えるわけがない……。
 私は唇を噛みしめて、でっかい肩を小さく縮めてうつむいた。
「いや、アイーダ。俺ひとりでは寝台下や、衣裳保管庫の宝物入れの中の菓子までは、とてもではないが撤収できなかっただろう。そなたには、本当に助けられている」
「いえ、そんな。それくらいは、十年もおそばにいれば自ずと朝飯前になりますわ」


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