異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
……やっぱり、アイーダはすごい。
衣裳保管庫の宝物入れの中のお菓子は、隠した私も忘れていた。そういえば、なにかのときのためにと、飴玉を忍ばせておいたっけか……。
「……そうか。しかし逆を言えば、その十年来の付き合いのアイーダをもってしても、マリーナの食欲ゆえの暴挙は予測しきれなかったということか……」
「ええ……。姫様の食への執着たるや、すさまじいのですわ」
ライとアイーダが難しい顔をして、うんうんとうなずき合っている。
私は身の置き所なく、ますます肩を寄せて縮こまる。
……だけど、まったくもってその通りなのだ。私だって一度は、出される三度の食事だけで我慢しようって思ってた。
「……私、お腹が減ると駄目なの。食欲が理性を凌駕して欲望のままのケダモノになって、気づいたときにはもう、端からなんでも貪っちゃうの」
ポツリとこぼした、私のつぶやき。
このつぶやきの後、場はしばし沈黙で満たされた。
「……ならば、この上は俺が責任を持って監督する」
「え?」