異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
生活習慣と体質改善を考えれば妥当な期間だが、標準の倍もある体重を半分に落とすには、それはあまりに短いと思えた。
それは猶予などではなく、はなから私と、しいてはお母さまを追放するために定められた期間のように思えた……。
「マリーナ、三カ月はあまりにも短い。だが俺は、騎士団長として数々の心身鍛錬に携わってきた、その指導経験から確信している。三カ月での減量も正しく進めれば、けっして心身の健康を損なう無謀ではない。十分に達成可能な期間だ」
……不思議だった。ライに言われると、不安だらけの心に光が射してくるみたい。
「なに、心配はいらん。マリーナには俺が付いている。俺がマリーナを三カ月で健康的に痩せさせてみせる! 王妃様と陛下を不当に追及する輩に、目に物を見せてやろう!」
ライは強面の顔面に笑みをのせ、私に向かって力強くうなずいた。
「ライ、私がんばる! なんとしたって、ライと一緒にやり遂げてみせる!」
私のせいでお母さまを追放なんてさせない! 同様に、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの商売の妨げになるのだって御免だ!
厳しい現実から目を背けず、私は今この瞬間からライと共に立ち向かう!
私は勢いのまま、ライの逞しい胸板にギューッと抱きついた。ライは私の背中をトンッと抱きしめて応えた。