異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
沈黙を割ったのは、ライだった。
だけど、その言葉の意味がわからない。だってライは、今だって私の運動に付きっきりでしょう?
「ええっと、ライ・ザック殿? それはどういう意味でしょう?」
私の疑問は、アイーダがライに投げかけた。
「マリーナの居住は今後、王宮から騎士宿舎に移す」
っ!?
聞かされた衝撃の内容に、雷に打たれたみたいに全身がビリビリした。
「そうして俺が、マリーナと共同生活を送りながら食事管理を徹底する。俺ならば深夜だろうが、万が一にも忍び食いなどさせる隙は与えん。鉄壁の構えでマリーナの監視が可能だ」
内心で私は、ものすごく動揺していた。
もちろん忍び食いは、もうしない。でも、でも万が一、どうしても心が砕けそうになったとき、厨房からお砂糖の一欠けらとか、蜂蜜のワンスクープとかを拝借することは、あり得るかもしれない。
ううん、そんなことは絶対しないって、誓って言える! だけど、苦難を成し遂げる上で、希望っていうのは持ち続けるべきだと思う。ライと共同生活なんてしたら、そんな一縷の希望すら絶たれてしまう……。