異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 ゴクリと緊張に唾をのむ。
「……ライ、それは困ります。曲がりなりにも私は王女ですから、表敬訪問や式典参加の機会も多く、その身支度にはやはり王宮が最も適しています」
 気づいたときには、心の中の悪魔が、私に代わって答えていた。
 しかも、咄嗟にこれだけそれっぽいことをひねり出してみせる悪魔は、なかなかに聡い。
「……うむ。たしかに女性騎士もいるが、表敬訪問や式典参加のための化粧や着つけといった事情には疎いか……」
 案の定、ライも私の正論に一応 の理解を示す。
 ライは眉間にクッキリと皺を寄せ、顎に手をあてて考えていた。
 ……これならなんとか、騎士宿舎行きは回避できたっぽいかな?
 私はライの様子を横目に、ホッと肩をなで下ろした。
「ライ・ザック殿、心配はご無用です」
 え?
「私が騎士宿舎に同行し、化粧や着つけもろもろ不足なく整えます」
 私がすっかり油断しきっていたところに、まさかの伏兵が現れた!


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