異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「そうか。それならば安心して騎士宿舎に移り、減量に集中できるな」
 アイーダが、ライから私に向き直り、にっこりと微笑む。
「ということですから姫様、騎士宿舎でライ・ザック殿と共に減量だけに集中してくださいませ?」
 う”っっ! アイーダの笑顔の一突きで、私の中の悪魔が滅する。
「アイーダが同行してくれるなら安心だね。わーい……」
 悪魔の消滅により、心神耗弱となった私はキレなく台詞を棒読んだ。
 だけどこの時、悪魔が不在となった心の奥、安堵している自分がいた。先の言葉の通り、一度お腹が減れば理性が吹き飛ぶ自覚はあった。私ひとりでは飼い慣らせない、端からなんでも貪っちゃうケダモノも、ライならばきっと手懐けられる。
「では決まりだ。マリーナ、今後は騎士宿舎に場を移し、共に減量に励もう」
 私はグッと両の拳を握る。




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