異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「さぁお姫様、どれを召し上がりますか?」
「もちろん全部食べるよ!」
私はふかふかの肘付き椅子からピョンと立ち上がって、献上品の山に飛びついた。
ど、ど、どれから食べよう!?
私は迷った末に、フライドチキンを選び、意気揚々と掴んだ。
……あぁ。茉里奈だった頃の私 も強がってみせたって、本当はずっとこれを食べてみたかった……。
緊張と興奮の初対面に、ゴクリと唾をのみ込んだ。
そうしてついに、待望のフライドチキンにあーんと大口で噛りつく。
ガブッッ、……ん? あ、あれ? おかしいな。
だけどひと口噛り付き、感じた異変に首をかしげる。
フライドチキンって、もっとジューシーでやわらかいんじゃないの?
噛り付いたフライドチキンは、なんだか想像していたのと食感が違っていた。
……なぁんだ、フライドチキンって筋っぽい弾力を楽しむ食べ物なのか。 でも、いいや! 予想とは違ったけど、筋っぽいこういうのは噛めば噛むほど味が出るって、経験で知っている。