異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「さぁお姫様、どれを召し上がりますか?」
「もちろん全部食べるよ!」
 私はふかふかの肘付き椅子からピョンと立ち上がって、献上品の山に飛びついた。
 ど、ど、どれから食べよう!?
 私は迷った末に、フライドチキンを選び、意気揚々と掴んだ。
 ……あぁ。茉里奈だった頃の私 も強がってみせたって、本当はずっとこれを食べてみたかった……。
 緊張と興奮の初対面に、ゴクリと唾をのみ込んだ。
 そうしてついに、待望のフライドチキンにあーんと大口で噛りつく。
 ガブッッ、……ん? あ、あれ?  おかしいな。
 だけどひと口噛り付き、感じた異変に首をかしげる。
 フライドチキンって、もっとジューシーでやわらかいんじゃないの?
 噛り付いたフライドチキンは、なんだか想像していたのと食感が違っていた。
 ……なぁんだ、フライドチキンって筋っぽい弾力を楽しむ食べ物なのか。 でも、いいや! 予想とは違ったけど、筋っぽいこういうのは噛めば噛むほど味が出るって、経験で知っている。


< 111 / 325 >

この作品をシェア

pagetop