異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 まだ、ダイエットを始めて二週間弱。けれどもともとの体格が体格だけに、変化が現われるのは早い。
 アイーダに毎日コルセットを締めてもらったドラム缶のごとき胴体は、目に見えてその周囲を細くしている。
 もちろん、まだまだドラム缶には違いないが。
「……ほんとだ。私、何度アイーダを吹っ飛ばしたか数えきれないもんね。アイーダは相変わらず折れちゃいそう」
 腕の中のアイーダの感触を確かめるように、同時に懐かしむみたいに、私はキュッと抱きしめた。
「いえいえ姫様、それがそうでもないんです。騎士食堂でしっかり三食を取るようになりましたら、なんと体重が増加傾向にあるん ですの!」
「えー? わかんないよ」
 私たちは顔を見合わせて、コロコロと笑った。
「……ねぇアイーダ、アイーダは伯爵家の生まれでしょう? 十年も王宮で働くのは、行儀見習いにしては、長いよね? 実家のご両親は、なんて?」
 これまで気づきながら話題にするのを避けて、うやむやのままにしてきた核心に、私は初めて切り込んでいた。
 腕の中のアイーダが、そっと顔を上げる。やわらかな笑顔はしかし、わずかに眉尻が下がって寂しげだ。


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