異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
ライから返った強い否定の言葉に、ビクンと体が跳ねる。
「すまん! そうではない、そうではないんだ」
身を起こし、私を覗き込むライの眉は、ハの字に下がっていた。
え?
「……ライ?」
いつもと逆に角度をつける眉、そして初めて見るライの憔悴しきった様子に、困惑が先に立つ。
「俺は騎士団長という立場にあり、騎士らの指導に関しては経験も積んでいる。指導力には、自負もあった。けれどマリーナの減量を請け負うことは、騎士らの指導とはわけが違う。俺はその部分を軽く考えていたのかもしれん。俺は、一歩間違えばマリーナを——」
「ねぇ、ライ」
私はわざと、ライの言葉を遮った。
あと一歩間違えば、なんだと言うのか? 馬鹿なことを……。だって、ぴったりと隣についていなくとも、ライが私の危機を救えないわけがない。ライが私を、みすみす水にさらわせておくわけがないのだ。