異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~



 腹立ちが治まらないまま、私はこの日の記録ノートに「ライのケダモノ!」と、デカデカと書きなぐると、早々に寝台に潜り込み、不貞寝を決め込んだ。
 衝立を挟んであちら側、ライの寝台の方から物すごい悲壮感が漂って、室内がどことなく湿っぽい感じもする。けれど、そんなのは無視だ。
「フンッ!」
 荒くついた鼻息とは裏腹に、私の心はズタボロだった。
 乙女の柔肌……むしろ、柔肉? と、とにかく! ライに、全部見られた……。
 なにが悲しいって、お腹の段々の一番上で、ほんわぁ〜っと寛ぐ緩みきったおっぱいをさらしたこと、これはかなり悲しい。
 ……だって、こんなの見ちゃったら、ライは幻滅しちゃうよね。
 巨乳といえば、巨乳と言えなくもない。
 けれど巨乳というのはやっぱり、スリムなウエストがあってこそだと思うの。
 いくらおっぱいが大きかろうが、それ以上に大きなお腹があったなら、それはやっぱり巨乳とは言えない気がした。
 ……お腹、はやくへっこまないかなぁ。
 おもむろにお腹をなでなでしていれば、ふと気づいた。


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