異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「ライ・ザックよ、そなたも我が国の肥満水準の高さは承知しておろう?」
「……はい」
 陛下からの問いかけに重くうなずく。
 テンプーラ王国の肥満水準は、近隣諸国に類を見ないほどに高い。国はこれまでにも対策の手を打ってきたのだが、肥満水準は年々上がり続けていた。
 それに伴って、心臓疾患に糖尿病、高血圧と肥満に関連する疾患者は急増。医療現場は悲鳴をあげ、その対策費、医療費が国庫を逼迫させていた。
「この現状に、議会がついに動いたのだ。議会は〝肥満撲滅〟をスローガンに、各都市に食生活と運動指導の専属の指導員を派遣。都市ごとに、肥満率の目標値を定め、達成に罰則を設ける新規法案を打ち出した。その最中で、一部の 貴族議員から王家に対し、猛バッシングの声があがって いるのだ。国民の規範となるべき王族に肥満がいては、国民に対して示しがつかないと、筆頭議員のヴァーウンド侯爵らは主張している。しかも、ここにきて追及は妃の責任問題にまで及んでしまった。彼らは王族としての自覚のない妃が養育係をつけずに王女を育てたからこうなっただのなんだのと、好き勝手な理論を展開してくる。ヴァーウンド侯爵らは妃とマリーナの追放を声高に主張してはばからん」


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