異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 ライもまた切ないくらい真摯な光をたたえ、寸分も逸らさずに私を見つめていた。
 絡む目線が、実際にはないはずの熱を感じさせる。
 外気より冷たい水中に半身を沈み込ませた状態にあっても、まるで寒いとは感じなかった。
 ライの言葉が、そしてその瞳が意味するものは……?
「さて、いつまでもこうしていては、せっかく準備運動で温めた体が冷えてしまうな。早速水泳を始めよう。まずはクロール五往復を開始!」
 私が真意を問おうと口を開くよりも一瞬はやく、ライが声高に水泳開始を宣言した。
「は、はい!」
 私は弾かれたように返事をすると、ザブンとプールにひと潜りして、壁を蹴って泳ぎだす。
 だけど心地よく水の抵抗を受けながら、私は後悔していた。
 ……無理にだって、さっきの言葉の意味を聞いておけばよかった。
 だって準備運動から間が経った体は冷えるどころか、ライの台詞を受けて内側から燃えるように熱いのだから……。



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