異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 陛下は憤りを隠そうとしなかった。
 王妃様はわななく陛下の肩をなだめるようにトントンと叩いて、ゆっくりと俺を仰ぎ見る。
「ねぇライ・ザック、私は今回のマリーナの減量は、ほかならないマリーナの健康を守るためにお願いしたいと思っているの。強硬派が叫ぶ追放の件がもちろんきっかけではあるけれど、実際問題、肥満はありとあらゆる病の引き金になりますでしょう? 万が一マリーナになにかあれば、それはやはり母としての私の責任で、取り返しがつきません。だから私は、なんとしてもこの機に、正すべきだと決意したのです」
 王妃様の目には、自身への後悔と、今回の減量に賭ける強い意志がありありと浮かんでいた。
「陛下、王妃様。俺がマリーナ様の減量を成功させてみせます」
 俺は陛下と王妃様に向かい、力強く断言した。
「ライ・ザック、やはりそなたに頼んで正解じゃった。それから妃も申した通り、追放の件や妃へのバッシングを引き合いに出してマリーナを追い込むことはせんでいい。そんなのは、王であるわしが収拾をつけるべき問題で、マリーナには関係のないことだ。減量にはマリーナの健康を第一にあたってくれ」


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