異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 それが今、水かさが増したことで陸続きに伸びていた部分がすっかり川中に沈み、小山部分だけが島のように、川の真ん中にポッカリと取り残されてしまっていた。歩いて陸に戻ることは、もう 不可能だった。
「マリー、俺たちが眠りこけてるうちに、川の水位が戻ってきてる! きっと護岸工事が終わって、上流の堰がはずされたんだ!!」
 ……護岸工事! ……堰!
カールの言葉に、寝がけの夢現でした会話を思い出す。私がこれらの台詞を聞かされたのは二度目だった。
 馬鹿! 私はあの時、たしかに違和感を覚えたのに! なにより少し想像力を働かせれば、例年にない異常な水位の低さは自然現象でなどあり得ないとわかったはず……あれ? ……例年に、ない? 
 ふと、脳裏をよぎった。テンツユ川の本流にあたる川は、遡るとはるか遠く北の氷山の裾野を通る。だからテンツユ川も、春は氷山の雪解け水が加わって水量は比較的多くなる。
 改めて見回せば、水位が今は 人の背丈を越えるほどにまで上昇していた。だけど、来たときに比べれば桁違いに増しているとはいえ、それでも川岸の高さにはずいぶんと余裕を残している。


< 189 / 325 >

この作品をシェア

pagetop