異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 私のお腹の上で唯一両手の空くチロルは、器用に瓶から菓子を取り出して、小包装を解いていく。
「マリー、もらっちゃってよかったの? なんだかずいぶんとしゃれた菓子だけど……」
 それを横目に見て、カールがすまなそうに私に告げた。
「うん、頂き物なんだけど、私は甘い物が食べられないからちょうどよかった。ふたりに食べてもらえてよかったよ」
「マリー……」
「はい! あんちゃん、あーん!」
 するとチロルが、包装を解いたチョコレートを、自分が食べるよりも先に、カールの口もとに差し出した。
「え、チロルが先に食べろよ? チョコレート、チロルの好物だろ?」
「あんちゃんだってチョコレート好物だもん! はいっ!!」
「……ありがとう」
「どういたしまして!」
 まぁるいチョコレートは、ポンッとカールの口の中に飛び込んだ。
 そうして私の腹の上、チョコレートにバターキャンディー、マロングラッセとどんどん包装が解かれ、一瓶分の菓子は、あっという間にふたりの口に吸い込まれて消えた。
 最初にカールに「甘い物が食べられない」と言っておいたのが功を奏し、私の口もとに菓子が差し出されることはなかった。
 ……アー、ヨカッタ 。



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