異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 今日の午後三時より、工事のために水流を止めていた堰が、二十分毎に三回に分けて、段階的にはずされる。近隣住民には、テンツユ川に近寄らぬよう広く触れが出されているが、騎士団で連日減量メニューに従事するマリーナがそれを知る由もない。アイーダも同様で、ふたりは護岸工事を知らぬままテンツユ川に向かってしまった。
 ただアイーダとふたり、河原で花摘みをしているだけであればいい。
 しかし万が一、マリーナたちが水位の低い川に浸かっていて、その間に堰がはずされてしまったら……!
 現在時刻は四時……。すべての堰ははずされ、テンツユ川の水位は普段通りにまで回復しているはずだった。
 俺の杞憂であればいい……。



 テンツユ川に一番近い集落を通り過ぎ、日を受けて光る川面が見えてくるよ うになったところで、前方にテンツユ川に向かって足早に進む数人の集団が見えた。
 愛馬で距離を縮めればすぐに、その者らが手にロープや、浮具を握っているのに気づいた。
 鼓動がまるで、早鐘のように打ちつけていた。
「そなたら、いったいなにがあった!?」


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