異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「アイーダ、落ち着け! マリーナは俺が必ず助ける!!」
 俺はアイーダの目をしっかりと見据えて告げる。
「ライ・ザック殿……」
「だからそなたは川縁から離れ、マリーナの戻りを待て。そんな探し方をして、そなたまで川に落ちてしまっては、今度は無事に戻ったマリーナを泣かせてしまう。わかったな!?」
 アイーダがうなずいたのを横目に見て、俺は再び下流に向かって愛馬を駆る。
「……あ! ライ・ザック殿、実は川に流されたのは——」
 遠くアイーダが、俺の背中に向かってなにかを言いかけたような気もしたが、俺の意識はすでにマリーナ救出の一点だけに集中していた。
 ……そうだ、なんとしても俺の手で、マリーナを無事に救ってみせる!!
「はーるの、うらぁらぁの、テンツーユが〜わ〜」
 な、なんだ!?
 馬を駆る俺の耳に、下流の方から初めて聞く調べの歌が飛び込んできた。
 一瞬、マリーナかと思ったが、声は舌足らずな少女のそれだ。
 しかし、とにもかくにも、誰かしらがここからほど近くにいることは間違いなかった。俺は声の聞こえてきた方向に急いだ。


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