異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 その衝撃で、ぷかぷかと浮いていたマリーナの体が大きく沈み、腹の上にのっていた少女、肩に掴まっていた少年までもが沈みかける。
「マリーナ! そのまま、そのままでいるんだ! 俺が行く!!」
 マリーナはすぐにもとの大の字に体勢を戻し、腹の上の少女、少年共々事なきを得る。
 その様子を確認すると、俺は手にしたロープを川縁のほど近くに立つ柳の幹にしっかりと結びつけた。
 水辺の柳は、細くしなやかな見た目に反し、地中深くにしっかりと根を張り巡らせた強い植物で、俺たちの体重を支える支柱として不足はない。
 そうして俺は手ばやく騎士服の上着と長靴を脱ぎ払うと、腕に輪状の浮具を通し、柳に結びつけたロープの一端を握りしめて、川中へと飛び込んだ。
 テンツユ川は川幅が広く、水量も豊富だ。しかし流れは穏やかで、川の中ほどに浮かぶマリーナのところまで泳ぎ着くことなど、俺にとっては造作もない。
「わぁあ! お兄ちゃんお魚みたい!」
 ……マリーナによって、つながれた命がある。
 途中で元気のいい少女の声を耳にすれば、こんな状況にありながらも、自ずと頬が緩んだ。


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