異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「マリーナ、無事か!?」
 そして俺は数回、大きく水をかき、難なくマリーナのもとまで泳ぎ着いた。
「うんっ! 大丈夫だよ!」
 俺は泳ぎ着くとすぐに、これ以上流されぬよう片手でマリーナをしっかりと掴み、反対の手でマリーナの腹にのる少女を抱き取った。
 少女の重みがなくなって、マリーナはその目に安堵の色を滲ませた。
 いくら小柄な少女とはいえ、その腹に長く凭れかけさせておくのは、大変な負担だったに違いない。
「マリーナ、よくがんばった」
 俺の言葉に、見開かれたマリーナの目に、ジュンッと涙の膜が張る。今、マリーナを抱きしめて慰めてやれないことが悔やまれてならなかった。
 けれどそれも後、ほんの数分……! ここを脱したら、一番にマリーナをこの腕に抱きしめる!!
 俺は、マリーナから少年少女に目線を移す。ザッと見たところ、少年少女にも特段憔悴した様子はみられなかった。
「君たちも大丈夫そうだな」
「はい、大丈夫です」


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