異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 そうして長い間を置いて返った答えもまた、スロウの瞳の色をそのまま映したかのような、かたくなさが滲むものだった。
「そうか。では、先に俺の方からお前にひとつ、情報を明かそう。これはもしもの話だ。仮に、今回のお前の行動の裏にリィ・ヴァーウンド第二師団副師団長からの指示があったとすれば、その見返りに示された条件が叶う日は訪れない。なぜならそれは、ヴァーウンド侯爵の恣意的な権力行使が前提に提示された条件だからだ」
 俺は、リィ・ヴァーウンドの名前の件で、スロウの肩がビクリと跳ねたのを見逃さなかった。
 そのままスロウは俺が明かす手の内を、一言一句噛みしめるようにして聞いていた。
「テンプーラ王国は法治国家だ、不当な権力行使など罷り通らん。法を犯せば当然、法によって裁きを受ける」
 聞き終えた後、スロウは俺に決意のこもる目を向けて重くうなずいた。
「……騎士団長。すべて、あなたにお話しします」
 スロウはゆっくりと話しだす。
「恥ずかしい話なんですが、俺は出稼ぎ騎士のつもりで入団したんです。弟妹がまだ小さくて、どうしても金が必要で。だけど、ゆくゆくは実家の商売を継ぐ気でいました。冴えない商店なんですが、俺の代でつぶしちゃうのも忍びなくって」


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