異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 出稼ぎ騎士……。それは、金銭を目的として入団する騎士を指す言葉で、そのほとんどは剣に命を賭けず、ある程度の財を稼いだところで退団していく。
 とはいえ出稼ぎ騎士とて、厳しい入団基準をクリアして騎士団の訓練及び職務に従事し、その対価として規定の給金を得ている。志うんぬんの議論を脇に置けば、その行為自体はなんら問題ない。
「うちの家業は、そもそもは十代続く由緒あるかわら版屋だったんですが、なかなか客をつなぎとめることができずに、今は商店として色んな物を売ってます。だけどその商売もうだつが上がらなくて、親父が発起して打開に向けて動いたら、それがさらに大きな損失を出す結果になってしまって。ついに先日、親父が商売はもうたたむしかないと言ってきたのを、俺が仲間らにぼやいていたんです。そうしたら、それを聞きつけたリィ・ヴァーウンド副師団長が声をかけてきて、指定の菓子を買ってくれば、三カ月後に俺の実家に輸入専売の権利をひとつ譲ってやると言ってきたんです」
 スロウの口から飛び出したのは、俺の読み通りリィ・ヴァーウンドの名前と、奴がした愚かな行為の詳細だった。
 それにしても自分の公休を返上するのを惜しみ、部下に甘言をささやいて規律違反を犯させるとは、あきれてしまい空いた口が塞がらなかった。


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