異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
まさに、アイーダの言っていたオツムの弱さや、詰めの甘さといった言葉が奴にはピタリと当てはまる。
「その権利は、現在王妃様の生家が有している権利か?」
「そう、言っていました」
スロウから聞かされた内容は、ヴァーウンド侯爵がはなから王妃様のご実家の持つ権利を得んともくろんでいたなによりの証拠だった。
「どちらにせよ、そんな好条件をもらえたら、引き受けないわけにはいきませんでした。輸入専売の権利がもらえたら、実家の商売も持ち直すだろうし、最悪サボりがバレて俺が除団処分になっても、予定してた家業を継ぐのが少し早まるってだけだし……」
スロウはここで声のトーンを低くし、表情を暗くして、その言葉尻を濁した。
「だけど、サボりたくもないのに早朝から訓練サボって菓子屋の列に並んで、指定の菓子を買って帰った俺への副師団長の第一声は『遅いぞこのクズ。なにをグズグズしている』って、まさかの捨て台詞でした。それを聞いたら俺、そんな奴に従ってる自分が情けなくてっ……。騎士団長、騎士としての自覚のない浅はかな真似をして、本当に申し訳ありませんでした!」