異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
間違っても再び閉じられたりすることのないように、俺は扉が開いた瞬間にガシッと掴む。
「昨日のそなたの軍務規律違反に対し、部屋の捜索を行う! おとなしく従え!」
そうしてリィ・ヴァーウンドを正面から見据えて宣言した。
「な!? 軍務規律違反やら、部屋の捜索やら、なにを血迷っておられるんですか!?」
「いいや、これは血迷いごとなどではない。昨日、そなたがスロウ・スタータへした指示は、軍務規定三章五条、『職権乱用の禁止』の条項に違反。よって軍務規定九章二条、『軍務規律違反者に対し調査の必要性が認められる場合、上官判断により違反者の自室捜索・差し押さえ等の強制処分を認める』この条項に則り、今より部屋の捜索を開始する! 捜索、開始!!」
俺の開始宣言と同時に、副団長以下騎士らが部屋になだれ込む。
「ま、待て!? こんな横暴が許されるわけがっ、や、やめろ!! その文箱を開けるなーー!!」
「リィ・ヴァーウンド、そなたあまりに見苦しいわ。少しは静かにせんかい」
かしましいリィ・ヴァーウンドは、師団長のひとりに拘束された。