異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
「マリーナ、ただいま。起きていたのか?」
夕方、部屋にライが戻ってきた。
「おかえりなさい! もちろん起きてたよ、だって私、全然元気なんだから! それよりライ、聞いて!? 今日ね、ライの不在中にお母さまがきたの! それでね、なんだか私の追放を主張してた強硬派の筆頭議員が失脚したとかで、追放がなくなったんだって。お母さまもお祖父ちゃんお祖母ちゃんも、これでもう心配いらないんだって!」
ライの帰宅を待ち構えていた私は、すばやくライに駆け寄って、嬉々として報告する。
「……そうか。それはよかった。これでマリーナもひと安心だな」
ライは私の頭をポンポンっとなでて言った。
だけど言葉とは裏腹に、ライの表情がなんだか少し、陰って見えた。
こめかみには、薄っすらと青筋までもが浮かんでいる。
「ライ? ……あ、もしかしてライはもう知ってた?」
騎士団長のライは、当然王宮とのパイプも太い。議会での情報も、すでに伝わっているのかもしれない。
「あぁ、聞いている」
静かな、とても静かなライの声。
「そ、そっか」