異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
追放が立ち消えになったこと、私は当然ライも一緒に喜んでくれるものと思っていた。だから私は、ライの様子に少し、拍子抜けしてしていた。
するとここで、薄っすらだった青筋をビキッと浮き上がらせたライが、私に向かってゆっくりと口を開く。
「それでマリーナはいつ王宮に戻るんだ? 王妃様は今日は、ひとまず報告だけだったようだが、改めて迎えがよこされるのだろう?」
……ショックだった。
ライがはなから、私との共同生活解消を想定していることが、あまりにもショックだった。
意思とは無関係に、目には勝手に涙が滲んだ。
「マリーナ、どうした!?」
突然涙を浮かべる私に、ライが驚いたように目を見張る。
大きな手が私の両肩に置かれ、ライは私を覗き込むように、顔を寄せた。
その眉間には、今もやっぱり皺がクッキリと刻まれていた。……だけどこの皺は、けっして怒ってるんじゃない。ライはただ、私の涙に困っているのだ。
私がここに残りたいと告げることは、さらにライを困らせることになってしまう。