異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「なっ、なんで!?」
 すると私のうしろにアイーダがピタリとくっ付いて、明確な意図をもって逃げ道を塞いでいる!
「さ、姫様?」
「え? アイーダ、やだっ。やだよっ?」
 ズリッ、ズリズリズリッ——。
「えっ!? 押しちゃやぁっ」
 ズリ、ズズズズズッ——。
「ふふふふふ。さぁさぁ姫様、陛下と王妃様がお待ちかねですわ」
 抗議は笑顔で一蹴され、私はアイーダによってあれよあれよという間に、お父さまとお母さま、そしてガチムチマッチョの前に押しやられた。
 アイーダのポキッと折れそうな細腕は、実は大層な剛腕でもあるらしい。  周囲も一様に、息をのんでアイーダの武勇を見つめていた。
 だけどこんなのは、私にとっては知りたくもなかった新発見だ。
 うぇぇ〜ん、私を売るなんて、アイーダの裏切り者〜! 私のことを一番に守ってくれるんじゃ 、なかったの!?


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